令和5・6年度

東京都教育委員会

人権尊重教育推進校

人権尊重教育推進校写真
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事業について

本校は、令和5・6年度人権尊重教育推進校に指定されています。

人権尊重教育推進校は、東京都人権施策推進指針及び東京都教育委員会の教育目標、基本方針に基づき、人権尊重の理念を広く社会に定着させ、あらゆる偏見や差別の解消を目指すとともに、人権教育を一層充実させるために、区市町村立学校及び都立学校合わせて50校程度指定されます。

本校では今年度、「自他 を大切にする児童・生徒の育成」~人権に関する知的理解を深め、人権感覚を高める教育の推進~ を研究主題に設定し、校内研究を行っております。

人権尊重教育推進校写真
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研究資料

令和5・6年度人権尊重教育推進校 研究リーフレット(1年次)

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人権尊重教育推進校写真
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校内研究について

毎月の校内研究の取組をご紹介します。

本校は、令和5・6年度人権尊重教育推進校に指定されました。

人権尊重教育推進校は、東京都人権施策推進指針及び東京都教育委員会の教育目標、基本方針に基づき、人権尊重の理念を広く社会に定着させ、あらゆる偏見や差別の解消を目指すとともに、人権教育を一層充実させるために、区市町村立学校及び都立学校合わせて50校程度指定されます。

人権尊重教育推進校として1年目の本年は、まず様々な人権課題があることを知ることと、児童・生徒、教職員が互いに人権感覚を高め合えることを目標とし、研究主題を「人権課題を知り、人権感覚を高め合う児童・生徒の育成」~児童・生徒が自他を大切にする心を育む教育の推進~と設定しました。

日々の指導に人権教育の視点を取り入れるとともに、地域の特性を生かし、地域と協働した豊かな教育活動を展開していきます。その中で、教職員、児童・生徒が人権感覚を身に付け、人権課題に向き合い、互いに人権感覚を高め合うことで、学校全体として自他を大切にする気持ちを育成していきます。

小学校では、地域と協働した豊かな教育活動の一環で、5月20日に、かんもの苗植えを行いました。苗植え当日は絶好の『かんもなべ日和』で、学校協力者の方々に教わりながら、子供たちは一生懸命に手作業で苗植えを行いました。苗植え後に行った子供たちの感想発表では、秋の収穫を楽しみに思い浮かべながら植えていたことや、美味しく成長するようにこれから大切に育てていきたい等の感想がでていました。全員で協力して苗植え作業を終えた子供たちの顔は、充実感にあふれていてとても素敵でした。

中学校では、5月24日に、全学年合同の道徳の授業を行い、『リスペクト アザース』という、他人を尊重することの大切さについて考えを深めました。他人を尊重するために大切なこととして、相手のことを知ろうとすること、違いを拒絶するのではなく受け入れること、自分から率先して相手を尊重する態度を示すこと、など様々な意見が挙げられました。

6月28日(火)に今年度第1回目の島しょ地域研修支援事業が行われました。外国語活動を通して、海外に住む同年代の子どもの気持ちを考えました。ユニセフの動画を視聴して、自分とは違う生活を送っている子供達の暮らしを知り、英語を使ってどうコミュニケーションを取るのか考えることができました。

日本で生活している私たちにとっては当たり前のことでも、海外で生活する人たちにとっては、不思議に思うこともあります。また、海外で生活している人たちにとっては、当たり前のことでも、日本で生活している私たちにとっては、不思議に思ったり、理解できなかったりすることもたくさんあります。そのため、今回のような学習を通して、少しずつ他国のことを知り、他者を理解していくことが大切です。子供達にとっても教職員にとっても、他者理解について考える良い機会となった島しょ地域研修支援事業となりました。

7月10日(月)に中学校2年生を対象に「子供」の人権課題を扱った研究授業を行いました。いじめをテーマとして、同調圧力に流されて差別や偏見を傍観してしまう人間の弱さに気付き、集団の一人として差別や偏見を許さずに正義を実現しようとする内容でした。どのような言動が人権を軽視したり、いじめを生んだりするのか考えるとともに、自分だったらどのような行動を取るべきか考え、話し合う活動を通して、人権は誰に対しても保証されるべきものであるという認識をもつことができました。

東京都人権施策推進指針では、子供の人権課題を含めて17の個別的な人権課題が示されています。人権課題への理解が足りないことで、知らずに人を傷つけてしまうことがないように、今後も日々の授業や生活指導等を通じて人権問題を取り上げて差別や偏見の解消に向けて取り組んでいきます。

9月25日(月)に、小学校5・6年生の児童を対象に個別的な視点からの取組「人権課題:女性」で研究授業を行いました。まず導入で、歴代総理大臣や様々な会社の社長、学校の管理職等には男性が多いことに気付かせ、「なぜ、女性が指導的地位に少ないのか。」「外で働いている女性が男性より少ないのはなぜか。」等、様々な問題について話し合いました。

また、令和4年8月の人権擁護に関する世論調査で、「男女の固定的役割分担意識に基づく差別的取扱いを受けること」という人権問題を挙げた割合が47%であったことから、児童にとって身近である家事や育児に焦点を当てて、男性と女性の役割分担について考えました。

児童からも、「これは、どっちでもできる。」「得意な方がやれば良い。」などという声が出ていました。児童にとっても教職員にとっても、男女の固定的役割分担意識について、考えることができた有意義な時間となりました。

10月14日(土)に道徳授業地区公開講座が行われました。1時間目の中学校での特別の教科 道徳の授業では、『公正、公平、社会主義』をテーマに、『障害者』の人権課題について触れて学習しました。2・3時間目の講演会、意見交換会では、ろう者で手話エンターテイナーの方と通訳の方を講師にお招きしました。講演会では、手話という言語と、ろう者の方が感じる人権課題について、お話していただきました。意見交換会では、日常的に使える手話を教えていただき、実際に全員で手話を使って交流しました。

10月20日(金)に、青ヶ島の植物と植生について、講師の方をお招きして小中学校で授業をしていただきました。身近に生えているタブノキのお話や、フィールドワークを通じて、実際の植物を観察しながらお話をしていただき、青ヶ島の植物と植生について、理解を深めることができました。

11月27日(月)に第3回授業力向上研修が行われました。今回は、個別的な視点からの取組「人権課題:インターネットによる人権侵害」という内容で、小学校第5・6学年を対象に授業を行いました。現代社会は、「インターネット社会」と呼ばれており、パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレット端末等の通信機器が急速に普及したことにより、いつでもどこでもインターネットに接続できるようになりました。これらの機器の利便性や、情報が瞬時かつ広範囲に伝わるといったメディアの特性、情報発信の容易さ、匿名性等から、インターネット上でのプライバシーの侵害や名誉毀損等の人権侵害が頻繁に発生し、社会的に大きな影響を及ぼしています。

今回は、SNSに関わる問題点を考え、話合いをしました。その後、実際にチャットアプリを使用することで、言葉を自覚的に使おうとすることの大切さや相手の立場になって考えることの大切さを学ぶ良い機会となりました。

12月14日(木)に第4回授業力向上研修を実施しました。今回は、「人権課題:外国人」という内容で、小学校第5・6学年を対象に特別の教科 道徳の研究授業を行いました。多くの外国人が暮らす東京において、言語、文化、宗教、生活習慣などの違いやこれらの無理解から、外国人に対する偏見や差別が今なお、問題となっています。これらの社会問題の解決に向けて、高学年の段階において、偏見や差別の実態について知り、不正な行為を絶対に許さないという、断固たる態度を育てるという学習内容で行いました。

また、同日、中学校第2学年を対象に、音楽の研究授業を行いました。文楽は、17世紀末に大坂(現在の大阪)で生まれた、日本の伝統的な人形芝居です。大坂の町人文化を背景にして発展した文楽は、太夫と三味線によって演奏される「義太夫節」に人形遣いがぴたりと呼吸を合わせ、人間の「情」を描いた様々な物語を表現しています。文楽を鑑賞し、曲中の登場人物の心情を考え、話し合う活動を通して、音楽のよさや美しさを味わい、豊かな情操を育てるという学習内容で行いました。

授業を通して、教職員も児童・生徒も、様々な視点から人権について考えることができました。

1月10日(水)に、東京法務局主催の人権教室を行いました。『災害に伴う人権問題』をテーマに全校児童・生徒が学習に取り組みました。1月23日(火)には、副島 賢和先生による公開授業・講演会を行いました。公開授業は、『自分も相手もたいせつにするかかわりに必要なこと』をテーマに全校児童・生徒に向けて授業を行い、講演会は、『自尊感情の高め方』をテーマに教職員と地域の方に向けて講演をしていただきました。1月26日(金)には、地域の方をお招きし、校内研究発表会を行いました。今年度の校内研究の取組と成果と課題の発表を行い、次年度の校内研究に向けて講評をいただきました。

2月15日(木)に、第7回授業力向上研修が行われました。今回は、中学校第2学年を対象に、普遍的な視点からの取組で、保健体育科の研究授業を行いました。内容は、サッカーの単元(全8時間のうち6時間目)で、東京教師道場2年間の学びの集大成として授業公開を行いました。生徒がサッカーの授業を通して、仲間と協力しながら、自己の適性等に応じた運動との多様な関わり方を見いだし、運動の価値や魅力を感じ、生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現する資質・能力を育成することを目指し、フェアプレイ精神を大切にしてゲームを行いました。

人権尊重教育推進校1年目として研究に取り組んできました。今年度の研究主題である 「人権課題を知り、人権感覚を高め合う児童・生徒の育成」~児童・生徒が自他を大切にする心を育む教育の推進~ をもとに、教職員が一丸となって人権教育に取り組みました。また、児童・生徒に実施した「人権についてのアンケート」の結果からは、様々な人権課題についての知的理解が深まったことや、偏見や差別をなくそうとする態度が育ってきた様子がうかがえました。次年度は、これらの知識的側面、価値的・態度的側面に加えて、技能的側面も計画的に育成し、自他を大切にするための実践行動ができる児童・生徒を育てていきたいと考えています。

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